メンタルクリニック便り・28
いまどきの「うつ」の背景
市村 公一
1
1あおばメンタルクリニック
pp.971
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200030
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■薬物療法
今どきの女性の「うつ」に対する薬物療法について,この連載の第12回に「彼女たちのは気分の問題であるより情緒の問題なので,まず情緒を安定させることを優先的に考える.そのためにアリピプラゾール(エビリファイⓇ)3mg錠のさらに1/4を使うのが有効なケースが多い」と書きました.そして「実は男性でも同じだ」とも書きました.
ただ,女性の場合にはいきなりSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)を使うことはないと書きましたが,男性の場合は「会社に行けない」「朝起きられない」「デスクに向かっても頭が働かない」など意欲や思考力・集中力の低下を訴えるケースが多いので,アリピプラゾールに加えてSNRI,特にサインバルタⓇを処方することが多いです.動悸や手の震えなどの不安症状が強ければ抗不安薬のロフラゼブ酸エチル(メイラックスⓇ)か抗てんかん薬に分類されるクロナゼパム(リボトリールⓇ,ランドセンⓇ)を加え,不眠が強ければ睡眠薬を加えるのは女性の場合と同じです.
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