JIM Library 私の読んだ本
塩尻俊明(編集)『内科主訴25の確定診断術 問診スキルでここまで絞り込める!』
山脇 正永
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科総合医療・医学教育学
pp.54
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103089
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われわれの日常診療で,診断,鑑別診断とは「考える過程」である.物事を考える際には思考の枠組み,フレームワークが必要となる.本書はこのフレームワークをかたちづくる訓練をし,このフレームワークを日常の臨床に応用しようというものである.
本書は内科系救急および外来で遭遇する代表的な主訴について,診断,鑑別診断に至る「考える過程」を詳説している.まず,鑑別診断を絞り込むための病歴聴取のポイントが,疾患頻度や思考過程も含めて一覧できるように書かれている.さらに,この思考過程をフローチャートとして図解しており,大いに理解の助けになる.次に鑑別診断を進めるうえで着目すべき身体所見が網羅的に記載されている.この際,網羅的な全身診察はもちろん重要であるが,鑑別診断のポイントとなるフォーカスした診察所見も重要な視点であり,本書ではこの点も強調されている.
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