特集 気絶するほど悩ましい―危険な失神の見分け方
【総論】
失神に対する初期アプローチ―危険な失神を見逃さないために
井上 顕治
1
,
浦 信行
1
1手稲渓仁会病院総合内科・感染症科
キーワード:
心拍出量低下
,
循環血液量低下
,
血管の異常
,
起立性低血圧
Keyword:
心拍出量低下
,
循環血液量低下
,
血管の異常
,
起立性低血圧
pp.15-18
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103074
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失神は救急外来受診理由の中で頻度の多いものです.失神の原因をきたす疾患は多数あり,またその重篤度にも致死的なものから予後良好なものまで幅があり,実際の臨床の場では悩ましいケースも少なくはありません.危険な失神を見逃さずに診断するためには,系統立ったアプローチを行うことが重要です.
失神は脳血流が一過性に低下することで生じます.脳血流低下は,大きく分けて心拍出量の低下(不整脈・器質的心疾患・心嚢液貯留)・循環血液量の低下(急性の出血・脱水)・血管の異常(大動脈解離・椎骨脳底動脈領域のTIA:一過性脳虚血発作)などが原因で起こるため,失神を主訴とする患者では,これらの要素に問題がないか確認を行っていきます.
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