みるトレ
Case 9
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学 感染症センター
pp.611-612
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102577
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Case 9
患者:70代,女性.
主訴:後頸部,右肘,左肩,両側臀部,両側踵部の腫脹,圧痛,熱感,膿汁.
病歴:半年前に右膝の変形性膝関節症に対して人工関節置換術を施行した.術後から臀部や肩などに腫瘤が出現し,発赤・熱感を伴い,穿刺により膿汁を排出するため「感染性アテローム」として対処されていた.徐々に右膝にも熱感・腫脹が出現したため,人工関節抜去術を目的に当科に転院となった.受診時の左踵の肉眼所見を図1に示す.入院後,左足の前脛部に腫瘤が出現したため(図2),穿刺したところ膿汁が得られ(図3),グラム染色を施行した(図4).
身体所見:両側足関節部に著明な疼痛を伴う潰瘍.潰瘍の辺縁は堤防状に隆起し,潰瘍底は黄白色調の壊死組織と不良肉芽がみられる.同様の潰瘍が肘,肩,臀部などに散在.
検査所見:WBC 22,300/μl,Hb 6.6g/dl,Plt 99.2万/μl,CRP 22.6mg/dl,AST 79IU/l,ALT 40IUI/l,BUN 18mg/dl,Cre 1.05mg/dl,抗核抗体40倍以下,C-ANCA<10EU,P-ANCA<10EU.
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