特集 One step up 水・電解質・体液管理
【スペシャル・アーティクル】
在宅医療における水・電解質・体液管理の必須知識―基本にかえろう! なにをおいてもバイタルサイン・身体診察
横井 徹
1
1横井内科医院
キーワード:
バイタルサイン
,
基本的身体診察
,
連携
Keyword:
バイタルサイン
,
基本的身体診察
,
連携
pp.140-143
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102423
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
在宅医療の環境について
在宅医療を必要とする患者さんは一般的に,1)高齢であるためにホメオスターシス維持に必須な臓器の機能障害がある,2)ADL低下のため日常生活自体に介助を要する,3)高齢でなくても進行がん患者,など本来ならきめ細かな対応が必要とされる状態にあることが多い.しかし在宅患者は,入院のように生体の各種パラメータを簡単に把握するには困難な環境にある.在宅での療養を希望する本人・家族にとって,病気をコントロールし,改善治癒にもっていきたいという希望よりも,住み慣れた自宅および親しい家族友人がすぐ近くにいる環境で暮らしたいという希望のほうが,同等か,むしろそれ以上の重要性をもっていることが多い.したがって,各種のデータをもとに水・電解質・体液管理を的確に実践できる.病院のような環境にはなじまない部分が多い.そのような在宅医療の特徴を十分理解したうえで患者さんをサポートする必要がある.そしてそれができなければ,患者さん・家族の満足は決して得られない.以下に述べるように,必要十分なデータなしに治療を進めていかざるを得ない環境は医療者にとって正直,負担・不安であるが,そのストレスを甘受することが,在宅医療に取り組む医療者には必要である.一番の目的は患者さんの心の安定と苦痛緩和であることを忘れてはならない.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.