特集 診療を変える新しい薬2010
【新しい予防薬・予防的治療】
小児の細菌性髄膜炎予防ワクチンと日本脳炎ワクチン
中野 貴司
1
1国立病院機構三重病院臨床研究部 国際保健医療研究室
キーワード:
インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b,Hib)
,
肺炎球菌
,
結合型ワクチン
,
日本脳炎
,
急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalo-myelitis,ADEM)
Keyword:
インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b,Hib)
,
肺炎球菌
,
結合型ワクチン
,
日本脳炎
,
急性散在性脳脊髄炎(acute disseminated encephalo-myelitis,ADEM)
pp.262-264
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101891
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ワクチンで細菌性髄膜炎を予防する
小児の細菌性髄膜炎は,抗菌薬治療が進歩した現代においても,時に生命や後遺症に関わる重症疾患である.また,乳児など年少患者が多く,病初期の症状は非特異的であり,熟練した医師にとっても診断は必ずしも容易ではない.有効な予防手段が存在すればそれを用いて予防することが最も望ましく,欧米でワクチンが開発された.
しかしわが国での導入は遅く,インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b, Hib)ワクチンは20年,肺炎球菌結合型ワクチンは10年遅れて,ようやく最近になり承認された.また,これらワクチンは任意接種の位置付けであり,すべての子どもたちに接種を推奨する他の先進諸国の姿勢とは大きくかけ離れている.
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