特集 不整脈診療ステップアップ
不整脈の電気生理学的診断と治療
里見 和浩
1
,
栗田 隆志
1
1国立循環器病センター内科心臓部門
キーワード:
電気生理学的検査
,
カテーテル・アブレーション
,
リエントリ
Keyword:
電気生理学的検査
,
カテーテル・アブレーション
,
リエントリ
pp.739-743
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101502
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Case
WPW症候群に伴う偽性心室頻拍により心室細動に移行した1例
患者:48歳,女性.
現病歴:小学生時よりWPW症候群と診断されていた.突然の動悸発作から気分不良を訴え,救急搬送された.受診時の収縮期血圧80mmHg台.心拍数150/分前後の心房細動であったが,副伝導路を介して,幅の広いQRS波形(偽性心室頻拍)を呈していた.引き続き心室細動に移行し,直流通電360Jで洞調律に回復した.その後も心房細動(偽性心室頻拍)を繰り返すため,アミオダロンの持続静注を開始した.カテーテル・アブレーションにより三尖弁後壁の副伝導路の離断に成功.離断後,心室細動は誘発されず.以後半年の経過観察で副伝導路の再発を認めず.副伝導路という心室細動の不整脈基質が明らかであり,この根治により心室細動を予防できると判断され,アミオダロンを中止し,植込み型除細動器は適応していない.
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