特集 特定健診時代の生活習慣病対策
生活習慣病とは何か
石塚 達夫
1,2
1岐阜大学大学院医学系研究科総合病態内科学
2岐阜大学医学部附属病院総合内科
キーワード:
生活習慣病
,
メタボリックシンドローム
,
プライマリ・ケア
,
ガイドライン
Keyword:
生活習慣病
,
メタボリックシンドローム
,
プライマリ・ケア
,
ガイドライン
pp.14-19
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101317
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生活習慣病,メタボリックシンドロームの定義
1996年の公衆衛生審議会の「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について」と題する答申の中で,7つの健康目標が提案された.すなわち,①適正な睡眠時間,②喫煙しない,③適正な体重を維持する,④過度の飲酒をしない,⑤定期的にかなり激しい運動をする,⑥朝食を毎日食べる,⑦間食をしない,である.この7つの健康目標がくずれた時に生活習慣病が発症するといわれている1).主として,食習慣がくずれると2型糖尿病,肥満,脂質異常症(高脂血症),高尿酸血症,循環器疾患(狭心症,心筋梗塞),大腸癌,歯周病などを発症し,運動習慣の欠如により2型糖尿病,肥満,高脂血症,高血圧などが発症しやすくなり,喫煙により肺扁平上皮癌,循環器疾患,慢性気管支炎,肺気腫,歯周病などを発症し,飲酒によりアルコール性肝炎,膵炎を発症する可能性が高くなると考えられている.
従来は成人病といわれていた生活習慣病だが,国民のなかにもこの言葉は浸透しつつある.また最近は生活習慣の破綻の代表的疾患概念として,メタボリックシンドロームという言葉が提唱されている.2005年の日本内科学会総会で,海外でのこの概念を視野に入れながら日本人に即した診断基準が提唱された2)(表1).
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