皮膚科医直伝Ⅱ 教科書では教えてくれないコツ[1]
「アトピー性皮膚炎」恐怖症―医師と患者,言葉の定義が食い違う
中村 健一
1
1おゆみの皮フ科医院
pp.5-7
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100026
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待合室の会話が,何気なく聞こえてくることがある.
「アトピーだったらどうしよう.恐ろしい病気ですよね」「一生治らないそうですね」「アトピーになったら牛乳,卵は食べられないのよ」「ステロイドは怖い薬なのよ」
そういう患者を診察してみると,何のことはない軽いアトピー性皮膚炎である.ステロイド外用薬や保湿剤を処方して“はい,終わり”と,5分程度で診察は終わる.待合室が混雑している時はなるべくテキパキと患者指導をして次の患者を呼びたいところだが,母親の一言で診察時間は3倍以上になる.
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