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綜説
内分泌非機能性副腎腫瘍の臨床像—臨床的にもほんとうに内分泌非機能性か?
Clinical Features of Non-functioning Adrenal Tumor:Is A Non-functioning Adrenal Tumor Really Non-functioning Clinically?
塚本 泰司
1
,
木村 慎
1
,
伊藤 直樹
1
,
三熊 直人
1
Taiji Tsukamoto
1
,
Makoto Kimura
1
,
Naoki Itoh
1
,
Naoto Mikuma
1
1札幌医科大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology Sapporo, Medical University
キーワード:
副腎腫瘍
Keyword:
副腎腫瘍
pp.729-736
発行日 1996年9月20日
Published Date 1996/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901891
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臨床的に内分泌非機能性であることの多い副腎偶発腫瘍の1/4は実際には機能性の褐色細胞腫であり,また1/3は非機能性の副腎皮質腫瘍(腺腫)である。しかし,後者の中にcortisolの自律性分泌が認められるpre(sub)clinical Cushing's syndrome(PCS)と呼ばれている症例が存在する。ここでは,このPCSの臨床像について,これまでの報告例を中心に概説した。PCSの明確な定義はまだ確立されていないが,診断・治療に際して内分泌学的な所見を十分に把握しておく必要がある。特に,血漿cortisol/ACTHの基礎値,その日内変動,dexamethasone抑制試験などが,内分泌学的検査として最低限必要であるし,下垂体予備能の検討も症例によっては考慮されるべきであろう。
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