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綜説
有機物質(マトリックス)からみた尿路結石形成機序の新しい展開
Current Concepts of Urinary Stone Matrix
郡 健二郎
1
Kenjiro Kohri
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Nagoya City University Medical School
キーワード:
尿路結石症
,
マトリックス
Keyword:
尿路結石症
,
マトリックス
pp.993-1000
発行日 1993年12月20日
Published Date 1993/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901079
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尿路結石の晶質(無機物質)については成分や性状などよく知られている。一方マトリックス(有機物質)は微量しか含まれないことや,抽出や精製の困難さから,研究が遅れていた。本拙論でマトリックス成分にはオステオポンチン,カルプロテクチン,アルブミンといった物質が存在し,腎尿細管細胞およびその間隙で,蓚酸やカルシウムと結合し結石の核が形成されること,またその形成過程ではマクロファージが関与している可能牲を述べた。オステオポエチンは体内の臓器の石灰化において重要であり,尿路結石と動脈硬化の発病機序が疫学,病理病態学のいずれからも類似していることを推論した。
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