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第3版発刊より3年半を経て,『がん化学療法レジメン管理マニュアル』が第4版として発刊された.「がん化学療法で役立つ情報を凝縮したマニュアル(相棒)」が売り文句の本書は,がんエキスパートの薬剤師らが,がん化学療法に携わる薬剤師のために作成したマニュアルなのだが,この書評を書いているのは,腫瘍内科医師であるということにまず気が付いてほしい.薬剤師はもちろんのこと,がん化学療法に携わるすべての医療者にとって,実に便利かつ完成度の高いマニュアル(相棒)である.掲載されているレジメンは111本と増え,それぞれに支持療法を含む投与スケジュール,投与の注意点,減量・中止基準,副作用の発現率,発現時期,その評価観察と対策などのポイント,さらに薬剤調製,監査のほか,ケアに関することまで,がん化学療法に必要なほぼすべての情報が簡潔にわかりやすくまとめられている.
お勧めの使い方は,仕事場の目につく所に,同じ医学書院から発刊されている『がん診療レジデントマニュアル 第9版』と一緒に並べておくことである.『レジデントマニュアル』で疾患の概要とエビデンスに基づいた治療方針を確認する.そして,化学療法が選択された場合は,引き続き本書で実際の投与スケジュール,副作用管理の方法などを確認できる.これは非常に便利である.両書籍ともに同じサイズで不必要に場所をとらず,類似のデザイン同じ紙質とビジュアル的にも映える.これ以上相性の良い本もないだろうと思う.もちろん,当科の病棟の電子カルテ端末の上および外来診察室にも2冊ずつ並んで置かれている.外来では各診察室に置くようにしてはいるものの,時々定位置から持ち去るやからがいるので,見栄えは悪いけれど,油性マジックで診察室の名称を表紙に書いている.これもお勧めである.本来であれば,白衣のポケットに入れていつでもどこでも使えるようにすべきなのだろうが,惜しむらくは,ポケット版にしては常にポケットに入れて持ち運ぶには少し重いし,厚みがかさばる.だからこそ,私的には,仕事場の複数箇所に置いておくことでうまく活用できている.
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