増刊号特集 泌尿器内視鏡最新手術
総論
泌尿器骨盤内視鏡手術に必要な膜解剖
齋藤 駿
1
,
三木 淳
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院泌尿器科
pp.13-18
発行日 2023年4月5日
Published Date 2023/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207772
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Point
◇前立腺周囲の骨盤底筋膜と,膀胱周囲の骨盤内筋膜に分けて骨盤内膜構造を考えると,前立腺全摘除術や膀胱全摘除術の神経血管束(NVB)処理,骨盤内リンパ節郭清の解剖学的理解が深まる.
◇前立腺全摘除術におけるNVB処理の際,骨盤底筋膜であるデノビエ筋膜(DVF)と前立腺筋膜(PF)の層に基づいた切離ラインを決定する.女性の膀胱全摘における尿道と腟周囲処理の際,尿道と腟を覆った傍腟組織の確実な同定,切離により,出血の少ない安全な手術が可能となる.
◇骨盤内筋膜である膀胱下腹筋膜(VHF)と尿管下腹神経筋膜(UHF)によって形成される膀胱側腔と直腸側腔の術野展開により,膀胱全摘や骨盤内リンパ節郭清に重要な内腸骨血管の臓側分枝とリンパ流が同定される.
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