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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
甲状腺機能亢進症は,甲状腺の働きが高まり甲状腺ホルモン合成が盛んになる病態を指す.本邦で最も多いのはバセドウ病であるが,その他に中毒性結節性甲状腺腫,TSH産生腫瘍などがある.本邦のガイドラインとしては甲状腺機能亢進症のすべてを記載したものはないが,頻度の最も多いバセドウ病のガイドラインが日本甲状腺学会から発表されている.バセドウ病の診断については,日本甲状腺学会ホームページ「甲状腺疾患診断ガイドライン2010」1)のなかに「バセドウ病,無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎の診断ガイドライン」として記載されており,治療については薬物治療と131I内用療法を取り上げている「バセドウ病治療ガイドライン2011」2)に記載されている.バセドウ病の診断はバセドウ病治療ガイドライン2011の総論にも詳しく記載されており,鑑別診断はこの部分を参考にすればよい.バセドウ病治療ガイドライン2011は,ポイント,ステートメント,ステートメントの根拠,解説,文献紹介から構成されており,ステートメントはエビデンスレベルと推奨グレードが付けられ,一般実地医家の先生方にエビデンスに基づいた具体的方針を示すことが目標にされている.
海外のガイドラインとしてはAmerican Thyroid Association (ATA)とAmerican Association of Clinical Endocrinologists(AACE)が共同で作製したHyperthyroidism and other causes of thyrotoxicosis:management guidelines of the American Thyroid Association and American Association of Clinical Endocrinologists3)がある.このガイドラインは甲状腺機能亢進症全体のガイドラインである(表1).
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