交見室
超音波スクリーニングによる腎腫瘍発見の試みを読んで,他
里見 佳昭
1
1横須賀共済病院
pp.826-827
発行日 1989年9月20日
Published Date 1989/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205074
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43巻4号の水関先生らの「超音波スクリーニングによる腎腫瘍発見の試み」を興味深く読ませていただきました。これに関連いたしまして腎癌の早期発見の必要性について若干の感想を述べさせていただきます。
腎癌の治療成績はここ20年以上にわたりほとんど進歩が見られていないのが現状です。私どもの成績では昭和40年代(118例)の症例の10年実測生存率は33%,昭和50年以降(425例)のそれは36%です。この原因の1つは有効な化学療法剤の開発がないこと,そして他の1つは早期発見の向上がないことと考えています。前者に関しては臨床医としてはいかんともしがたい性質のものですが,後者については私どもの努力によっては相当の進歩が期待されるものと思うわけです。
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