文献抄録
小児上部尿路結石の治療
pp.56
発行日 1989年1月20日
Published Date 1989/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204905
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成人の上部尿路結石の治療は,最近ではESWLや経皮的内視鏡操作によることが多く,開腹による切石術はきわめて少なくなっているが,小児についての報告は極て少ないので,著者らは小児上部尿路結石の治療とその成績について述べている。 症例は2歳から16歳までの19例である。全症例について代謝系異常の有無,チスチンに対する尿の生化学的分析,細菌の培養などを施行した。症例の結石形成の原因についてみると,神経因性膀胱の尿路感染によるもの5名で,うち2名は回腸膀胱形成術が行われている。チスチン尿症1名,尿細管性酸血症1名,逆流防止の尿管膀胱再吻合2名,原因不明10名である。患老の年齢性別は,5歳以下3名,6〜10歳4名,10〜15歳12名で,男子10名,女子9名である。治療方法については,ESWLによるもの9名,経皮的内視鏡切石術5名,尿管鏡によるもの1名,尿管切石術1名,膀胱鏡切石によるもの1名,2名は入院中に自然排石した。上述の各操作のための麻酔はすべて全身麻酔で行われた.ESWL治療の9名については,6名が腎石,3名は上部尿管結石であって,治療前に全例にステントを留置した。
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