小さな工夫
ワイヤー電極刺入用針の工夫
鈴木 隆志
1
,
西沢 理
1
1秋田大学医学部泌尿器科学教室
pp.558
発行日 1986年7月20日
Published Date 1986/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204305
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尿水力学的検査施行時の筋電図の記録に際して,ほとんどの施設においては同心針電極,双極針電極あるいは単芯ワイヤー電極を使用していると思われる。前二者においては一度の刺入で比較的簡単に筋電図が得られるが,体動によつて最適部位から外れることが多く,検査中同一の筋電図を記録し続けることが困難である。一方,後者においては二度刺入する必要があるものの,一度筋電図が得られれば体動によつても外れることはほとんどなく,得られる波形も遜色ないため状況によつては立位をとらせることもでき,通常の排尿姿勢での筋電図の記録も可能である。しかし,これまでのワイヤー電極刺入用針は,金属部分が絶縁されていなかつたため,筋電図が得られているか否かは刺入用針を抜去した後でなければ判定できなかつた。
われわれは刺入用針に改良を加え,刺入しながら筋電図が観察できるようにしている。23G (直径0.65mm)長さ60mmのカテラン針の先端1.0mmを残し,針の部分をハブの部分までエポキシ樹脂を焼き付け被覆した。ワイヤーは直径0.1mmのステンレス鋼線を用い,先端1mmのコーティングは剥離して針の先端から折り返し,ワイヤーの脱落がないようにハブにおいてプラスチックキャップで固定した。ワイヤーの他端のコーティングも剥離し,ICクリップで挾んでアンプへの入力とする(第1図)。
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