Urological Letter・411
前立腺炎の効果的診断法
pp.464
発行日 1986年6月20日
Published Date 1986/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204286
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前立腺炎様症状のある患者にすべての泌尿器科的な検査を行うと,すなわち病歴の聴取,一般的身体的診察,尿の一般検査や培養,前立腺液の培養と細菌の感受性試験,排泄性尿路撮影,全内視鏡検査,尿流量計検査,さらに特別な場合には他の検査,たとえば細胞学的検査,CTスキャン,神経学的検査などを行うことになり,その費用は莫大なものになることが考えられる。これら一連の検査の大部分は不必要であろうから,ほとんどの読者にとつては,ばかげたことだと思われるに違いない。これら一連の検査では確かに費用も嵩むし,静脈内に造影剤を注入するといやな副作用が出ることもある。尿路に器械を入れることで人為的感染を起こしたり,他の副作用が出たりして,患者は検査前よりもなお悪くなることもある。実際に,前立腺炎の診断は比較的単純で,あまり高価でないようにすべきである。
一般病歴と身体的診察はもちろん欠くことのできないものである。今回と同様な症状が初めて起こつたのは何日か,尿道炎の経験がある例にはその日時を,その他関連のある症状のすべてを聞き出すことは極めて重要である。
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