交見室
交見室
島崎 淳
1
1千葉大学泌尿器科
pp.340
発行日 1986年4月20日
Published Date 1986/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204262
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臨泌40巻3号,高橋先生らの「前立腺癌stage Cにおけるエストロジェン先行・放射線治療の試み」を興味深く拝見しました。著者らは癌治療について常に立派な成績を発表しておられ,敬意を表しておりますが,今回は前立腺癌stage BとCについてのものであります。未だ観察期間が短いので,生存率を算出し得ませんが,前回の発表より良いとされております。既発表のstage Cの5年実測生存率は58.9%で,これを悪いとされましたが,Rayらの50%,Bagshowらの46%,Harisiadisらの58%(吉田修編・ベッドサイド泌尿器科学)と比較し得るものと存じます。私たちは58%でした(1985年癌治療学会発表)。もつともRosenらの61%(Int. J. Rad. Oncol. Biol. Phys.,10; 2201, 1984), Guerrieroらの62%(Cancer, 45;1922, 1980),Aristizahalらの62%(Rad. Oncol.,1; 309, 1984),Kurupらの74%(Cancer, 53; 37,1984)などさらに良い成績が発表されておりますので,成績向上のための努力が必要でしようし,それが今回の前治療としてのエストロジェンになつたものと存じます。
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