綜説
Acquired Immunodeficiency Syndrome (AIDS)
上田 泰
1
Yasushi Ueda
1
1東京慈恵会医科大学
1Department of Internal Medicine, The Jikei University, School of Medicine
pp.177-183
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204231
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レトロウイルス感染症の一つであるAcquiredImmunodeficiency Syndrome(AIDS)はいま世界の医学会はもちろんのこと,一般社会でも大きな話題になつている。日本も例外ではない。1983年(昭和58年)4月の第21回日本医学会総会の講演で筆者がわが国の公式の場ではじめてAIDSを紹介したが,当時はまつたく反響はなかつた。もちろんその時点では原因微生物も判明せず,疾病の実態も不明だらけで奇病あつかいにされていたためでもある。
今日では原因ウイルスもhuman T-cell lympho-tropic virus type Ⅲ/lymphadenopathy associatedvirus(HTLV—Ⅲ/LAV)(またはLevyらの AIDS-associated virus)と決まり,さらに血清抗体の測定も可能になつて,本症の感染,発症に至る過程,さらにその病態の諸相も次第に明確になりつつある。
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