Urological Letter・369
TURPに関する提言(Ⅱ)
pp.112
発行日 1984年2月20日
Published Date 1984/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203741
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前立腺のTURは多くの泌尿器科医が日常行つている普通の手術であり,最も上手な医師の場合でもなお,精神的にも法医学上にも厄介なことが起こり得る手術である。手術中に,ことに終わりに近づいた頃に精阜の周りや外括約筋の近くを切除している時に括約筋の損傷についての不安が起こつてくる。
この点について,自分自身で括約筋は損傷していないことを確かめるために簡単な方法を用いている。それはまず膀胱を灌流液で満たしてから切除鏡を抜去する。そうすると普通ならば外尿道口から太く勢いのよい流れが噴出する。その流れが弱まつた時に恥骨上部から膀胱を押すと再び流出する尿線も太くなり量も増加する。圧するのを緩めると再び尿流が弱まるか止まつてしまう。このことは括約筋が損傷されていない証拠である。もしも流れの太さが変わらなければ括約筋が損傷していると考えなければならない。
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