Japanese
English
綜説
TURPの教育法
How to Teach Transurethral Prostatic Resection
小柳 知彦
1
Tomohiko Koyanagi
1
1北海道大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Hokkaido University
pp.937-944
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203220
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はじめに
私がミシガン大学での泌尿器科レジデントを終了し帰国してから既に11年となる。3年間のレジデント教育期間中にReed M. Nesbit, Jack Lapides両教授から多くのことを学ばせていただいたが,そのうちの一つが経尿道的切除法である。米国で1930年以降に始まつたTUR法の進歩に少なからず寄与し,現在の確立された術式となるまでの過程を実際に見とどけた一人であるNesbit1)(第1図)と彼に教育を受けた多くの人達から直接TUR法を教わつた私が,今こうしてその教育法を語れることは大きな喜びである。
米国のみならず西欧その他でもTUR法は今日前立腺肥大症の主流となつており,本邦もまた例外ではない。北大とその関連病院の場合でも前立腺肥大症に対する術式としてTURは1970年以前には極めて少数にしか施行されていなかつたのが,以後漸次普及し最近では9割以上がTUR法で占められるようになつてきている。もちろん,このような普及の背景に近年の輸液,輸血,化学療法などの進歩および優秀なsurgical unitとfiberoptic lensの開発導入が関係していることは言うまでもないが,同時に的確に施行されればTUR法が安全,確実な術式であるとの認識がこれを実際に施行した人,あるいは術後の患者を実際に見た人達の間で広まつたことも大きな因子であろう。
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