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はじめに
膀胱鏡検査にさいして,膀胱内容液を洗滌水によつて透明にしなければならないことが膀胱鏡検査実施条件の一つであることは周知のごとくである。しかし,いくら洗滌を行なつても,なかなか内容液が透明にならなかつたり,あるいはせつかく透明になつても,すぐ混濁して膀胱鏡検査が円滑にいかなくてこまることも日常私どもの経験するところである。筆者らは膀胱腫瘍の患者で,内容液がいくら洗滌しても透明にならず,膀胱鏡検査に困難を感じた症例に洗滌水のかわりに空気を約200ml注入したところ,液体の場合とはことなつて明瞭に膀胱内景を観察できることを見出した。その後も同様な症例に際しては液体のかわりに空気を注入して観察することにしたが,いずれも満足すべき所見を得ることができたので,実際の症例について洗滌水による場合と対照しながら図示することにする。
Cystoscopic examination is occationally disturbed when the irrigating fluid does not become clear inspite of repeat irrigation or due to difficulty maintaining a clear vision. We have used air instead of irrigating fluid in such case, and found out to have a clear vision of the bladder wall. We have named this method as "air cystoscopy" and its usefulness was showed by illustration.
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