Japanese
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手術手技
尿管口の異常症の臨床と手術—とくに尿管瘤について
The Clinic and Treatment of Anomalies of Ureteral Orifice: Especially on Ureterocele
東福寺 英之
1
Hideyuki Tofukuji
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Keio University School of Medicine
pp.369-375
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201158
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はじめに
尿管下端の先天的または後天的嚢状拡張を言い,一般に尿管口は小さく,外面は膀胱粘膜,内面は尿管粘膜で被われ,その間に多少の筋肉を有する。膀胱壁内部の固着が不十分のために起こる状態と言われ尿管末端部が膀胱内に嚢状となつて突出していることが多いが,尿管口の異所性開口に際してもみられる。尿管口を嚢状拡張の中央部にみることが多いが,嚢の内下方,後面などにも存在する(第1図)。
本症は珍らしいものではなく,Campbellは膿尿を有する小児の4%に,また総ての年齢層で膀胱鏡検査を要する患者の1〜2%にみられると言い,膀胱鏡検査時に尿管瘤が極く小さいものから間歇的に膨満,虚脱を繰り返すものもあり注意深い検索によらなければ見落すことが少なくない。
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