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特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅵ.最新の研究
染色体異常症例における尿路性器奇形の合併について—37症例の観察
Congenital Abnormalities of the Urogenital Systems in 37 Cases with Chromosomal Aberrations
大田黒 和生
1,2
,
鶴賀 信篤
3
Kazuo Otaguro
1,2
,
Nobuatsu Tsuruga
3
1国立小児病院泌尿器科
2東京大学
3国立病院泌尿器科
1Urological Department, National Children's Hospital
3Urological Department, National Chidrens Hospital.
pp.229-235
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201088
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緒言
長らく人類の染色体数について議論があり,理論的には染色体異常にもとずく奇形の存在が信じられていたが,その具体的証明には困難な技術上の壁が立らふさがつていた。しかし,1950年代に至り,末梢血内単球,小リンパ球の分裂促進作用のあるphytohemagglutininが開発され,一方,細胞分裂を中期に止めさせるコルヒチン処理法,染色体をうまく散らばらせ固定するのに低張液処理,押しつぶし法が考案され,末梢血培養法の普及以来,急速に染色体の実態が明らかにされてきた。ことに,1956年,Tjio & Levan1)が人類の染色体数が46であることを立証,Denver (1960)2),およびLondon (1963)3)で開催された国際委員会でその分類法が決定され,染色体の各種の異常を記号で表示するようにさえなつている。
泌尿器科領域においては人類の染色体数が解明された当初より,ことに性染色体異常とインターセックスとの関連性から染色体の問題に興味をもつ多くの研究者が出現していた。
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