教室だより
日本医科大学
堀尾 豊
1
1日本医科大学
pp.604
発行日 1969年7月20日
Published Date 1969/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200725
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本学は明治9年(1876年)に日本最古の私学済生学舎として初まり,日本医学校(明治38年),日本医学専門学校(明治43年)の変遷を経て日本医科大学(大正15年・大学令)に至る古き伝統を誇つている。皮膚泌尿器科学の歴史も古く高橋誠一先生により開講されたという記録が残つているが,詳細は明らかでなく,大正15年北川淏教授が就任されたのをわが教室第一の出発点とみてもいいようである。現在本学は,千駄木に附属病院,飯田橋に附属第一病院,川崎新丸子に附属第二病院と三病院をようしそれぞれ発展の途上にある。皮膚泌尿器科学教室も北川教室より丸山千里教授(現名誉教授),馬越直通助教授(現第二病院長)が誕生し,昭和23年,講座としては皮膚科・泌尿器科が分離されたが,診療面では丸山教室(皮膚科)が附属病院と第二病院で北川教室(泌尿器科)が第一病院で,それぞれ皮膚泌尿器科を担当していた。北川教授時代の主な業績の一端として戦前においてはヘマトポルフィリン症,淋疾の発熱療法,補体結合反応,あるいは梅毒の皮内反応,その抗原に関する研究,また,戦後においては尿路結核に関する多彩な研究や北川式前立腺手術法等がある。昭和36年,北川教授が停年退職され名誉教授となられ,横浜市大より川井博教授をお迎えし,ここにわが教室第二の出発点をみることになる。
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