Japanese
English
綜説
急性腎不全
ACUTE RENAL FAILURE
志田 圭三
1
,
洞口 龍夫
1
,
篠崎 忠利
1
,
柴山 勝太郎
1
Keizo SHIDA
1
,
Tatsuo HORAGUCHI
1
,
Tadatoshi SHINOZAKI
1
,
Katsutaro SHIBAYAMA
1
1群馬大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, School of Medicine, Gunma University
pp.113-119
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200096
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
近年,外傷,術後あるいは不適合輸血等に起因する急性腎不全の症例は急激に増加し,その治療対策は泌尿器科臨床医の大きな課題となつている。申すまでもなく,人工腎,腹膜灌流等の発展,普及によつて,腎機能の改善をみる症例も少くはないが,なお多くの症例は,かかる努力にもかかわらず不幸な転帰をとつている。透析という操作によつて恢復しうる代謝異常には限界があり,腎実質自体の恢復に対して積極的な対策が打ちたてられていない事に起因するものである。
急性腎不全は第2次大戦以後特に注目をあび,急性尿細管壊死等の名称のもとに論ぜられてきたものである。しかしながらその病態生理については不明な事項が少くなく,その臨床も専ら対症療法に終始しているのが現状である。腎機能保全を1つの旗印とする泌尿器科医にあつては,腎移植という画期的治療法の完成に努力するとともに,その基底をなす,腎機能の病態生理にも献身的な努力がなされなければならない。かかる目的において,最近報告された急性腎不全に関する文献を集め,卑見をも加えてここに述べ参考に供する次第である。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.