Weekly Letterより
遊走腎に対する腎固定術の適応症/TURPにおける会陰部尿道切開の活用,他
pp.60
発行日 1967年1月20日
Published Date 1967/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200081
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Roll, W.A.は遊走腎における腎固定術の適応条件として,(1)立位では疼痛があるが,臥位では楽になること,および(2)立位の腎盂像で腎の下垂と尿流障碍がみられる例であること,と言つているが賛成である。しかしLipshutz, H (手紙の主)は次のような例だけに固定術を行つている。(1) X線検査で尿流阻害のあることが証明されて,過去にその腎に治りにくい腎盂腎炎をおこした事実があるもの,(2)腎杯に尿の停滞がある(X線検査で)もの,(3)その腎に結石ができたことがあるもの,(4)過去の典型的なDietl'scrisesまたは腎から尿管への放散痛が臥位になると緩解したもの,しかも他に考えられるようなすべての原因が除外されたものなど。しかも内科,神経科,婦人科および精神科の医師達によつて他に疾患のないことを証明してもらつたあとで,初めて手術をすることにしている。腎固定をしたあとは,手術が成功しているか否かを確めるIVPは術後1ヵ年は摂らないことにしている。
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