小さな工夫
完全重複尿管に対する経尿道的尿管引き抜き術の工夫
近沢 逸平
1
,
鈴木 孝治
1
1金沢医科大学泌尿器科
pp.458-459
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103225
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腎盂尿管癌に対する標準的術式は,腎尿管全摘除術である。腰部斜切開と下腹部正中切開を組み合わせ,腎尿管を一塊として摘出する方法が標準とされるが,腎盂癌や上部尿管癌の場合,尿管引き抜き法が有効となる。この術式は,出血量の減少,手術時間の短縮,創部の縮小による術後回復力の向上などの点から,高齢の患者やhigh riskの患者には有効とされる。しかし,完全重複尿管の場合,引き抜きが適応外との意見や,尿管がうまく引き抜けるかという問題点が主治医を躊躇させることとなる。
一方,最近になり,完全重複尿管の症例に引き抜き術を行ったという報告もみられ1),われわれも積極的に施行しており,次のような工夫で成功すると考える。
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