Japanese
English
綜説
排尿の時間生物学
Chronobiology of micturition
兼松 明弘
1
,
根来 宏光
2
,
小川 修
2
Akihiro Kanematsu
1
,
Hiromitsu Negoro
2
,
Osamu Ogawa
2
1兵庫医科大学泌尿器科
2京都大学大学院医学研究科泌尿器科学
キーワード:
概日時計
,
夜尿症
,
夜間頻尿
Keyword:
概日時計
,
夜尿症
,
夜間頻尿
pp.387-397
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103211
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要旨 ヒトは青壮年期には就寝中に排尿のために起きることはほとんどない。これは睡眠中に腎での尿産生量が減少するとともに,膀胱での蓄尿量が増加するためである。逆に小児期の夜尿症や高齢者の夜間頻尿では夜間の尿産生量の増加や機能的膀胱容量の低下が認められる。時計遺伝子が形成する概日時計(circadian clock)の研究の進歩とともに,生体の日内変動現象の多くが時計遺伝子による分子的現象として解明されており,腎・膀胱では尿産生や機能的膀胱容量の日内変動に寄与している。本稿ではヒトおよび齧歯類の排尿日内リズムについて最近の分子時間生物学の進歩と関係付けながら臨床的および行動生理学的知見と展望を概説する。
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