特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅰ 症状・徴候からのアプローチ
排尿に関する症状
004 尿 閉
相川 健
1
,
胡口 智之
1
1福島県立医科大学泌尿器科
pp.25-27
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103072
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1 定 義
尿閉とは膀胱に尿が多量に溜まっていても排泄できない状態である。国際禁制学会によると,急性尿閉は尿をまったく排出できず膀胱痛が強く触診や打診で膀胱がわかる状態である。一方,慢性尿閉は膀胱痛はなく排尿後に触診や打診で膀胱がわかる状態であり,このような患者では尿失禁がみられることがある1)。
尿閉は前立腺肥大を伴う中高年男性に多い。海外の疫学研究の報告では,40~79歳の一般男性2,115名を50か月間経過観察すると,尿閉は1年間で千人あたり6.8回認められた。高年齢,国際前立腺症状スコア(IPSS)が重症,前立腺体積が30mlより大きいなどが尿閉発症の危険因子と報告されている2)。
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