書評
「問題解決型救急初期診療 第2版」―田中和豊 著
徳田 安春
1,2
1筑波大大学院
2筑波大病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院総合診療科
pp.1009
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102969
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『問題解決型救急初期診療』の第2版がついに出た。単独の著者によるマニュアルなので読みやすい。米国などで臨床経験を十分に積んだ著者の経験と英知が整理された「鉄則」と「ポイント」は,現場で大変役に立つ。箇条書きで書かれており,記憶に残りやすい。内容のレベルは初期研修医に合わせてあるが,ベテラン医が救急当直をすることが多い臨床現場では,ベテラン医にとっても知識を再確認するチェックリストとしても役に立つ。
イントロダクション編の中で,感銘を受けた文章をいくつか挙げてみる。「マネジメントを変えない検査は原則としてしない」「検査にも治療効果がある場合がある」「大部分のcommon diseaseは,パターン認識(直感的診断法)で対応できる」「救急室では,必ずしも確定診断にたどりつく必要はない」「コンサルテーションは適切な人を適切なタイミングで呼ぶ」などの文章は,まったくもって同感である。
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