書評
「医療事故初期対応」―前田正一 編
嶋森 好子
1
1慶應義塾大学看護医療学部・医療安全管理学
pp.426
発行日 2009年5月20日
Published Date 2009/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101752
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1999年に重大な医療事故が発生し,医療現場が必ずしも安全ではないことを,患者を含む国民皆が知ることになりました。2001年には,厚生労働省医政局に医療安全推進室が設けられ,医療安全の推進を国としてもはかることが明確に示されました。各種検討委員会が設けられ,医療安全を推進するためのさまざまな取り組みが行われるようになりました。それから約10年を経ましたが,はたして医療現場がより安全になったといえるでしょうか。
医療現場での研究的な取り組みや他分野の知見を得て,安全のためになすべきことはある程度明らかになってきています。しかし,それがなされないままに10年前と同じような事故が生じているように思います。改めて,医療現場でなすべきことは何かという視点で安全確保を検討するときではないかと考えます。
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