特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
B.尿路内視鏡手術
【経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)】
46.バイアスピリン,パナルジンの内服を一時中止し,経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行った患者です。術中出血は少量でしたが,バルーン抜去1週間後にコアグラタンポナーデとなり緊急入院しました。どのように対処すればよいでしょうか。
住吉 義光
1
1四国がんセンター泌尿器科
pp.142-143
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101123
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1.全身状態が不良の場合
救急患者受け入れ時にすべき内容をまず行う。すなわち,バイタルサインのチェック,血液検査(CBC,出血・凝固検査,腎機能は必須,採血時にクロス用血液の確保),血管(ルート)確保である。痛みが強ければ鎮痛薬の投与を行う。可能ならば,超音波検査かCT scanを施行し,膀胱および骨盤部では膀胱破裂などがないことを確認し,腎部位では水腎症の有無もチェックする。抗凝固薬を服用している原疾患が心血管系であれば,心電図などの検査も必要である。これらの処置と同時に,バイアスピリン,パナルジンを現在服用しているかどうかを質問し,服用していれば直ちに許可を出すまで中止とする。さらに,最終の食事や水分摂取時間も確認する。検査所見で貧血が強いような場合には輸血用の血液を準備し,心疾患患者では循環器科医師にコンサルトする。
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