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特集 泌尿器科臨床の難問を解く―EBMを考慮した解説
転移を伴う腎癌症例の腎摘除術の適応
Indication of cytoreductive nephrectomy in patients with metastatic renal cell carcinoma
小原 航
1
,
藤岡 知昭
1
Wataru Obara
1
,
Tomoaki Fujioka
1
1岩手医科大学泌尿器科
キーワード:
転移性腎細胞癌
,
腎摘除術
,
evidence-based medicine
Keyword:
転移性腎細胞癌
,
腎摘除術
,
evidence-based medicine
pp.529-534
発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100698
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要旨 転移を伴う腎細胞癌症例の腎摘除術の適応については以前から意見の分かれるところである。転移性腎癌の予後予測因子,腎摘除術自体の効果と危険性,腎摘除術によるQOL(quality of life)の向上,腎摘除術による免疫療法の有効性の向上,腎摘除術による生存率の改善といった観点から腎摘除術の適応についてEBMに基づき検討した。現状では,performance status(PS)が良好で,転移巣の摘除が可能,術後の免疫療法の効果が期待できる症例に対しては積極的適応と考えられる。一方,PS不良や予後不良因子を有する症例においては腎摘除術が予後に寄与する可能性は少なく,免疫療法を中心とした全身療法が適応になると考えられる。
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