Japanese
English
症例報告
隆起性皮膚線維肉腫との鑑別を要したaneurysmal fibrous histiocytoma
A case of aneurysmal fibrous histiocytoma resembling dermatofibrosarcoma protuberans
五十嵐 努
1
,
竹内 紋子
1
,
石地 尚興
1
,
上出 良一
1
,
新村 眞人
1
Tsutomu IGARASHI
1
,
Ayako TAKEUCHI
1
,
Takaoki ISHIJI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
aneurysmal fibrous histiocytoma
,
DFSP
,
隆起性皮膚線維肉腫
Keyword:
aneurysmal fibrous histiocytoma
,
DFSP
,
隆起性皮膚線維肉腫
pp.965-968
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904120
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33歳,男性.初診の7〜8年前より背部に小腫瘤が出現し徐々に増大した.初診時腫瘤の大きさは鶏卵大に及び,一部皮面から隆起し青紫色に透見され,びらんを伴っていた.臨床像,生検像にて隆起性皮膚線維肉腫が疑われたため拡大切除後皮弁形成を行った.病理組織学的には真皮浅層から脂肪織内に腫瘍塊が浸潤性に発育し,その中に赤血球を含む大小の裂隙を形成していた.紡錘形の細胞が花むしろ状に増殖している部分が多く存在し,腫瘍細胞のproliferating cell nuclear antigenの陽性率が高く,一部の腫瘍細胞でCD34が陽性であった.しかし,泡沫細胞の出現,リンパ球,形質細胞の濾胞様細胞浸潤,豊富な出血性病変を有するなど多彩な組織像を呈し,特に腫瘍の中央部では血腫を形成し,ヘモジデリン沈着も著明であったことからaneurysmal fibrous histiocytomaと診断した.
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