連載
NOTIES FROM THE RICE COUNTRY・9
Steven D. Emmet
1
1California大学San Diego校
pp.852
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903366
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医療界におけるワイヤレスの問題点
前回ワイヤレス時代の到来についてお話しましたが,これも万々歳とはいかないようです.まずは技術的な面から見てみましょう.もしコンピュータやモデムが使えなければ患者のカルテが出せないわけですし,実際に幾つかの病院ではカルテの書き込みをやめて,すべてをコンピュータに直接入力しているところもあり,機械の故障も大問題となります.それと,機械は大丈夫でもインターネットサーバーがダウンしたらどうでしょう.他には災害にあったり何かの理由で機械が壊されてしまったらどうなるのでしょうか.ワイヤレス機能に対応するためには技術的にもありとあらゆる状況に対処できるよう事前に検討することが大切です.
それと別にセキュリティの面はどうでしょうか.コンピュータで患者個人の記録を送るということは本当に安全なのでしょうか.ハッカーたちはどうするでしょうか.アメリカの政治家の携帯電話が盗聴され問題となり,話題を呼んだことがあります.ハッカーはもちろん医療記録にも挑戦し,自由に患者のアルコールの問題やエイズの記録を引き出すことができ,しかもそれを売ることができます.それと従業員のコンピュータへのアクセス上の問題があります.メインコンピュータの修理技術者は恐らくいつでも自由にコンピュータにアクセスすることができるわけですし,実際に入力を行う従業員はどうでしょうか.アクセスコードを複雑にすると多くの従業員は嫌がって仕事をしたがらないか,または複雑なコードを書いてコンピュータの近くにテープでとめることになるわけです!
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