Japanese
English
特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
4 皮膚疾患治療のポイント
脂漏性皮膚炎の抗真菌外用療法
Topical antifungal therapy for seborrheic dermatitis
渡辺 晋一
1
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Teikvo University School of Medicine
キーワード:
脂漏性皮膚炎
,
フケ症
,
Malassezia furfur
,
Pityrosporum
,
抗真菌剤
Keyword:
脂漏性皮膚炎
,
フケ症
,
Malassezia furfur
,
Pityrosporum
,
抗真菌剤
pp.118-121
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902524
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
脂漏性皮膚炎は,脂漏部位および間擦部位に好発する皮膚病変で,dandruff(フケ症)も脂漏性皮膚炎の前駆症状と考えられている.そのため,フケ症も含めると脂漏性皮膚炎患者はかなりの数になる.本症はステロイドによく反応するが,治療を中止すると容易に再発を繰り返すため,副作用が少なく,かつ根治的治療法が求められていた.一方,Malassezia furfurは健康人に普遍的に存在する酵母様真菌であるが,近年この真菌に抗菌活性を有している抗真菌剤が脂漏性皮膚炎に有効であることが報告され,ステロイド外用と比べ再発率,または再発までの日数,あるいは副作用発現率の点で優れていることが報告されるようになった.したがって,今後脂漏性皮膚炎に対する第1選択薬はM.furfurに抗菌活性を有する抗真菌剤となる可能性が高く,特にフケ症の治療には,抗真菌剤を含有したシャンプーの使用が便利であると思われる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.