Japanese
English
今月の症例
播種状表在性汗孔角化症の1例
A case of disseminated superficial porokeratosis
佐伯 秀久
1,3
,
佐藤 佐由里
1
,
轟 葉子
1
,
江藤 隆史
1
,
戸田 淨
1
,
小島 恵美子
2
,
橋本 直明
2
Hidehisa SAEKI
1,3
,
Sayuri SATOH
1
,
Yoko TODOROKI
1
,
Takafumi ETOH
1
,
Kiyoshi TODA
1
,
Emiko KOJIMA
2
,
Naoaki HASHIMOTO
2
1東京逓信病院皮膚科
2東京逓信病院消化器科
3東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Teishin Hospital
2Department of Gastroenterology, Tokyo Teishin Hospital
キーワード:
播種状表在性汗孔角化症
,
常染色体優性遺伝
,
錯角化円柱
Keyword:
播種状表在性汗孔角化症
,
常染色体優性遺伝
,
錯角化円柱
pp.1091-1093
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902378
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65歳,女.親族に同症あり.20歳頃に顔面から皮疹が出現し徐々に体幹,四肢に拡大した.非露光部を含めほぼ全身に,爪甲大までの辺縁がわずかに隆起する黒褐色斑が多発していた.また足底では点状角化病巣が多発し圧痛を認めた.組織像にて錯角化円柱を認め,播種状表在性汗孔角化症と診断した.患者は肝硬変を合併しているためレチノイドなどの内服治療は行わず,尿素軟膏の外用のみ行い皮疹はやや軽快した.また足底の角化病巣を削ることにより圧痛は軽減した.表在播種型は汗孔角化症全体の約10%にみられ比較的稀な病型といえる.また表在播種型の男女比は9:1と圧倒的に男性に多く,自験例のような女性例は極めて稀である.過去10年間に本邦で報告された播種状表在性汗孔角化症11例を集計し報告した.
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