Japanese
English
症例報告
限局性強皮症様皮膚病変を呈した進行性顔面半側萎縮症の1例—発症基盤からみた分類の検討
A case of progressive facial hemiatrophy presenting a localized scleroderma-like skin lesion : Consideration of the classification based on the pathogenesis
野村 和夫
1,2
,
橋本 功
1
Kazuo NOMURA
1,2
,
Isao HASHIMOTO
1
1弘前大学医学部皮膚科
2青森県立中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
顔面半側萎縮
,
強皮症
,
臨床分類
Keyword:
顔面半側萎縮
,
強皮症
,
臨床分類
pp.444-447
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902221
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
限局性強皮症様皮疹を呈した進行性顔面半側萎縮症の1例を報告するとともに,本症の随伴する病態の解析を試みた.症例は12歳,男子.左頬部から下顎部にかけて半側萎縮がみられ,開口障害,舌萎縮も伴う.同部の皮膚は帯状に硬化,色素沈着を呈する.組織では,膠原線維の増生,膨化,均質化に加えて,脂肪織にも及ぶリンパ球の巣状浸潤.抗核抗体,抗DNA抗体陽性.最近15年間の本邦報告例27例を検討すると,男女比,罹患側には差がなく,平均発症年齢は14.6歳であった.随伴症状として強皮症,あるいは強皮症様皮膚変化が10例,神経系の異常が9例,免疫異常が4例に認められた.したがって,本症を発症基盤の面から分類すると,本症は強皮症に伴うもの,神経系の異常によるもの,免疫異常の3群に大別され得ることがわかった.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.