Japanese
English
症例報告
浅在性皮膚アルテルナリア症の1例
A case of superficial cutaneous alternariosis
三砂 範幸
1,3
,
田中 達朗
1
,
山口 廣光
2
Noriyuki MISAGO
1,3
,
Tatsurou TANAKA
1
,
Hiromitsu YAMAGUCHI
2
1佐世保共済病院皮膚科
2佐世保共済病院細菌検査室
3佐賀医科大学内科学皮膚科
1Division of Dermatology, Sasebo Kyosai Hospital
2Bacteriobgic Laboratory, Sasebo Kyosai Hospital
キーワード:
浅在性皮膚アルテルナリア症
,
毛包内寄生
Keyword:
浅在性皮膚アルテルナリア症
,
毛包内寄生
pp.563-566
発行日 1995年6月1日
Published Date 1995/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901582
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
75歳,女性.初診の約1ヵ月前より,右鼻孔部付近に皮疹を認め,ステロイド外用剤を塗布していた.初診時に,右鼻孔部から右鼻孔下部にかけて,拇指頭大ほどの鱗屑を付着した浸潤性紅斑を認めた.鱗屑のKOH直接鏡検では,隔壁を有し,径の太い,淡色の菌糸型菌要素を多数認めた.鱗屑の培養所見およびスライドカルチャー所見は,アルテルナリア属真菌の特徴に一致した.病理組織は,真皮内の慢性炎症像であり,表皮角質層ならびに毛包内に菌糸型菌要素を認めた.治療は,抗真菌剤の外用だけで軽快せず,イトラコナゾールの内服の併用で治癒した.自験例は,浅在性皮膚アルテルナリア症の1例であり,菌糸型菌要素が毛包内にも認められたことが特徴的であった.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.