Japanese
English
症例報告
糖尿病患者にみられたLichen Myxedematosus
Lichen Myxedematosus Associated with Diabetes Mellitus
佐々木 哲雄
1
,
馬場 直子
1
,
中嶋 弘
1
Tetsuo SASAKI
1
,
Naoko BABA
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
lichen myxedematosus
,
糖尿病
,
ムコ多糖
Keyword:
lichen myxedematosus
,
糖尿病
,
ムコ多糖
pp.983-985
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901026
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糖尿病患者の下腹部にみられたlichen myxedematosus(LM)の1例を報告した.患者は41歳時に糖尿病を指摘され加療したが,54歳時から腎不全のため血液透析を開始した.56歳時下腹部に丘疹状隆起が索状に連なる局面が出現した.検査ではM蛋白は陰性で,GOT, GPTは正常範囲であった.組織では真皮は肥厚し,リンパ管の拡張と浮腫,膠原線維の不規則な離解と間隙の増大,線維芽細胞の増数と細胞突起の延長などがみられ,浮腫部はアルシャン・ブルー染色で青染し,ムチン沈着が示唆された.以上よりLMと診断した.LMを合併する疾患として,糖尿病はpara—proteinemia,肝障害に次いで多いとされ,糖代謝異常とLMとの関連も推測されるが,詳細はなお今後の問題である.
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