原著
Bullous Lichen Planus
川名 誠司
1
,
田沼 弘之
2
Seiji KAWANA
1
,
Hiroyuki TANUMA
2
1聖路加国際病院皮膚科
2北里大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, St. Luke's International Hospital
2Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
bullous lichen planus
,
DDS
Keyword:
bullous lichen planus
,
DDS
pp.127-132
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900810
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Bullous lichen planus自験4例の臨床所見,病理組織学的所見を報告した.臨床的には,1)全身皮膚,特に四肢末梢関節部,手掌,指に,周囲に暗赤色ないし紫紅色斑を認める小水疱ないし大型の緊満性水疱が多発し,治癒後,褐色色素斑や瘢痕を残す,2)しばしば口蓋,舌に水疱,糜爛,潰瘍を認め,頬粘膜に扁平苔癬本来の白色角化局面を認める,3)病理組織学的に苔癬型組織反応と表皮下水疱を認めることが特徴と考えられる.診断には直接,間接免疫蛍光法で抗基底膜部抗体が陰性であることを確認する必要がある.免疫組織化学所見は通常の扁平苔癬の所見と一致し,苔癬型組織反応による表皮基底層の傷害の結果,真皮表皮間の接合が傷害され,水疱が形成されることを示唆した.治療として,ステロイド全身投与の無効例にDDSが有効であったのが注目された.
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