Japanese
English
原著
家族性良性慢性天疱瘡—DDSが奏効した1症例
Familial Benign Chronic Pemphigus--A Case Treated with DDS
名村 章子
1
,
伊庭 仁樹
1
,
赤枝 民世
1
,
尾口 基
1
Shouko NAMURA
1
,
Hitoki IBA
1
,
Tamiyo AKAEDA
1
,
Motoi OGUCHI
1
1関西医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical University
pp.1073-1077
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204001
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DDSによる治療が効果的であった家族性良性慢性天疱瘡の1症例を報告した.39歳男性で,約10年前より,まず頸部に皮疹が生じ,漸次腋窩,陰股部に拡大し,肘窩,膝膕にも皮疹はみられ,軽快増悪を繰り返していた.家系に同症があり,臨床的,組織学的に家族性良性慢性天疱瘡に典型的であった.治療と経過は外用療法と抗生剤の全身投与を2週間以上行うも改善が得られず,抗生剤に変えてDDSを150mg/日2週間投与することにより,皮疹は軽快した.次いで,100mg/日に減量し,約2カ月半の経過で寛解状態に至り,DDSも中止した.外用療法のみで約1年を経たが皮疹の再燃はない.DDSの各種皮膚疾患に対する奏効機序についても考察した.
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