Japanese
English
原著
Wegener肉芽腫症—いわゆるPustular Vasculitis像を呈した1例
Wegener's Granulomatosis--A Case with So-called Pustular Vasculitis
宮本 裕
1
,
木藤 正人
1
,
樋口 定信
2
,
東家 倫夫
3
,
吉田 重彦
3
,
浜田 哲夫
4
Yutaka MIYAMOTO
1
,
Masato KITO
1
,
Sadanobu HIGUCHI
2
,
Michio TOYA
3
,
Shigehiko YOSHIDA
3
,
Tetsuo HAMADA
4
1熊本市民病院皮膚科
2熊本市民病院内科
3熊本市民病院耳鼻咽喉科
4熊本市民病院臨床病理室
1Division of Dermatology, Kumamoto Shimin Hospital
2Division of Internal Medicine, Kumamoto Shimin Hospital
3Division of Otorhinolaryngology, Kumamoto Shimin Hospital
4Division of Clinicopathology, Kumamoto Shimin Hospital
pp.933-937
発行日 1988年10月1日
Published Date 1988/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203978
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28歳女子のWegener肉芽腫症の1例を報告した.皮疹で特徴的なことは,四肢伸側,臀部,肘,膝などの関節背面に膿疱が初発したことと,下腿にみられた皮疹の一部に直線状の配列をなすものがあり,いわゆるケブネル現象を示していると考えられたことである.また,膿疱は病理組織学的に表皮内膿疱および膿疱直下の真皮の血管炎からなり,いわゆるpustular vasculitis像を呈しており,Wegener肉芽腫症においてもpus—tular vasculitisがみられたことは,興味ある所見と考えられた.治療はcyclophosphamideとcorticosteroidの併用療法を行い,自験例ではcyclophosphamideが奏効し,良好な経過をとったと考えられた.また自験例では発症から診断までの期間が約6カ月と比較的短期間であったことと,早期に治療を開始することができたことが,腎炎などの重篤な症状への進展を阻止できた理由と考えられた.
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