Japanese
English
原著
視神経炎と蝶形紅斑を初発症状とした全身性エリテマトーデスの1例
A Case of Systemic Lupus Erythematosus Initiated with Optic Neuritis and Butterfly Rash
寺本 範子
1
,
刀祢 毅
1
,
斎藤 隆三
1
,
加藤 昌久
2
Noriko TERAMOTO
1
,
Takeshi TONE
1
,
Ryuzo SAITO
1
,
Masahisa KATO
2
1国立横浜病院皮膚科
2国立横浜病院眼科
1Department of Dermatology, National Yokohama Hospital
2Department of Ophthalmology, National Yokohama Hospital
pp.255-259
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203857
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15歳,女.蝶形紅斑を主訴として当科受診.同時に"眼の奥の痛み"を訴える.臨床所見,抗核抗体陽性,低補体血症などの検査所見より当科にて全身性エリテマトーデス(SLE),眼科にて眼底螢光造影の所見などより視神経炎と診断した.プレドニゾロン40mg/日の内服にて視神経炎の改善をみるが,尿所見と低補体血症が持続することより,メチルプレドニゾロン1,000mg/日,3日間のパルス療法を施行し,諸症状,諸検査の改善もみられた.SLEにおける視神経炎の報告は稀であり,内外の文献を加え若干の考按を述べた.視神経炎が発症したSLE症例では,横断性脊髄炎を視神経炎の発症と同時または発症前後に認めることが多く,視神経炎は中枢神経系ループスの一症状としてみられることが多いと考えられた.SLEにおいては,他の神経症状なしに,視神経炎が単独にみられた場合でも,治療に関し十分な注意が必要であると思われる.
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