Japanese
English
原著
皮膚Rhodococcus感染症の1例
A Case of Cutaneous Rhodococcus Infection
伊東 佳子
1
,
高橋 誠
1
Yoshiko ITO
1
,
Makoto TAKAHASHI
1
1札幌医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Sapporo Medical College
pp.87-90
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203825
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80歳女性の右下眼瞼内側に存在する,膿瘍を伴う腫瘤より,非常に稀な菌種であるRhodococcus bronchialisが分離された.組織学的に,菌要素の証明はなされなかったが,真皮から皮下組織にかけて,単核球細胞浸潤を伴う泡沫細胞の集簇を認め,黄色腫の組織像を呈し,Rhodococcus infectionと黄色腫の成因との関係の面で非常に興味がもたれた.自験例の病変部は種々の薬剤に抵抗性であり,最終的には手術的治療が適当であると考えられた.Rhodococcusは,人においてはまだ,その病原性が明確にはされていない菌種であるが,過去の文献的考察および自験例より,少なくとも人の皮膚に対しては病原性が存在すると考えられた.
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