Japanese
English
原著
特発性斑状皮膚萎縮症—電顕的,免疫組織化学的観察
Electron Microscopic and Immunohistochemical Studies in Anetoderma
宮本 亨
1
,
宮本 二郎
1
,
西浦 清一
2
,
神戸 直登
2
Toru MIYAMOTO
1
,
Jiro MIYAMOTO
1
,
Seiichi NISHIURA
2
,
Naoto KAMBE
2
1津山中央病院皮膚科
2鳥取大学医学部皮膚科教室
1Division of Dermatology, Tsuyama Central Hospital
2Department of Dermatology, Tottori University School of Medicine
pp.845-848
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203759
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29歳,男性.自覚症状のない一部紅斑を伴う米粒大から拇指頭大の斑状萎縮斑が両上背を中心に散在性に多発した.HE染色では真皮血管周囲に軽度リンパ球浸潤を認める以外著変なく,Weigert染色では真皮網状層において弾力線維の消失を認めるが,真皮乳頭層にはほぼ正常の弾力線維が存在した.以上よりJadassohn型特発性斑状皮膚萎縮症と考えた.電顕的には真皮乳頭層においてほぼ正常のoxytalan fiberとelaunin fiberを認めたのに対し,真皮網状層ではelastic fiberはもちろん,その細線維も認めなかった.また抗serum amyloid P component抗体とNKH−1を用いた免疫組織化学では,電顕所見と同様に真皮網状層では,陽性に染まる線維成分を認めなかった.これらの所見より本症の病変は真皮網状層におけるエラスチンと細線維に生じるのではないかと推測した.
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