Japanese
English
原著
Lymphomatoid Papulosis
Lymphomatoid Papulosis
天谷 雅行
1
,
田中 勝
1
,
清水 宏
1
,
原田 敬之
1
,
西川 武二
1
Masayuki AMAGAI
1
,
Masaru TANAKA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Takashi HARADA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.163-169
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203613
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53歳,男.18年来,全身症状を伴わず,躯幹・四肢に自覚症状を欠く新旧の丘疹,結節が播種状に多発し軽快,増悪を繰り返す.光顕的には真皮上層より皮下脂肪織にかけて異型リンパ球様細胞を主体とする稠密な細胞浸潤を認め,核分裂像も散見された.電顕では,これら異型細胞の核には深い切れ込みがあり,細胞質内には比較的豊富なミトコンドリア,リボゾーム,粗面小胞体を有するものも見られた.免疫組織化学にて,これらの異型細胞はLeu 3a陽性,OKT−8陰性でhelper/inducer Tcell由来と考えられた.自験例は臨床的には急性苔癬状痘瘡状粃糠疹に酷似した皮疹を呈し,全身症状を欠き慢性で良性な経過をとるが,組織学的にはlymphoma様の悪性像を呈することからlymphoma—toid papulosis (LP)と考えられた.LPの統一された診断基準は確立されていないが,自験例のような症例は現時点では一応LPと診断整理した上で,将来lymphomaへ移行する可能性も考慮しつつ,長期間follow upする必要があることを強調した.
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