Japanese
English
原著
Benign Lichenoid Keratosisの2例
Two Cases of Benign Lichenoid Keratosis
山田 政春
1
,
尾花 俊作
1
Masaharu YAMADA
1
,
Shunsaku OBANA
1
1大阪回生病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka Kaisei Hospital
pp.891-895
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203538
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要約 Benign lichenoid keratosisの2例について報告する.症例1は日光露出部位(前額)に生じた単発性丘疹で,症例2は被覆部位(左側胸部)に生じた単発性の色素斑である.いずれも瘙痒などの自覚症状はない.組織学的には,2例とも真皮上層に苔癬化反応を示すことが特徴である.表皮の変化については,この2例では異なっており,同一ではない.たとえば,parakeratosis,acanthosis,epidcrmal exocytosis,Civatte body,liquefaction degenerationなどがみられるが,その程度は異なっている.この2例とも悪性腫瘍の既往がある(症例1:基底細胞腫,症例2:悪性黒色腫).この疾患は何らかの機序によって表皮に変化が生じ,その部位の表皮を排除するために生じた免疫反応ではないかと考えられる.日光はその原因の一つであり,症例1がそれに当たると考えられるが,症例2には当てはまらないと考えられる.
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